日本三奇の一つ、塩釜市の「四口の神釜」

 「日本三奇」で観光協力のニュースを見ました。
 兵庫県高砂市の「石の宝殿」と、宮崎県高原市の「天の逆鉾」、宮城県塩釜市の「四口の神釜」は古くから「日本三奇」とされており、協定を結び「日本三奇」をキーワードにした観光振興と地域経済の発展に向けて互いに観光情報を提供し、行事やイベント、特産品流通で協力を行うらしい。

 ん?日本三奇?初耳です!実はオーパーツとか結構好きな私は、さっそく調べてみることにしました。

 「四口の神釜」は鹽竈神社の末社の御釜神社にある4つの釜で、御神体であり神釜とされています。塩竈市指定・有形民俗文化財。

 古事記・日本書紀など日本神話に登場する神である塩土老翁神(シオツチノオジ)が、塩釜の地で人々に製塩を教えた際に使用した釜と伝えられる。また一説には、使った釜を模して鎌倉時代と南北朝時代に造られた鉄製の釜と言われています。

 この神釜の水はどんなに日照りが続いても枯れず、どんなに大雨が続いても溢れることなく、水位が季節を通して変わらないことから日本三奇の一つに数えられている。
 四釜の水色は、それぞれいくらか違っていますが、「世に異変があるときに水の色が変じるということで」といわれ、伊達藩では番人をおき、毎日調査をしたと云われます。
 東日本大震災当日、普段は濁っている釜の水が澄んでいたそうです。

 元々は7つ釜があったと言われており、残りの3つは泥棒が持ち去り、後に祟りを恐れて、「釜の淵(千賀野の浦海中)」「色麻」「釜田(塩竈の玉川)」に捨てたと言い伝えられています。

 釜がいつの頃のものか正確なことは不明であるが、江戸時代初期の塩釜の絵図にはすでに描かれているらしい。

 神竈奉置所で、透塀の中に4口の神竈が安置されている。内部の撮影は禁止だが、拝観料を納めれば神器を見ることができるようです。

 なお、毎年7月5日には神釜の水を汲み替える水替神事があり、神釜の中の古い水を汲んで松島湾釜ケ渕に船を出し、古い水を海に返します。ただし、古い水は少し残す。その後、満潮時に新しく海水を汲み取り御釜神社の神釜を新しい海水で満たすそうです。

鹽竈神社公式サイト