現代人の「目の悩み」に関する調査結果

はじめに「現在、目の悩みはありますか?」の質問には、全体の71%が「ある」と答えました。
そこで、具体的に「どのような目の悩みがあるか」を聞いたところ、「疲れ目」(71%)と「かすみ目」(39%)がツートップに。目の悩みがある人のうち、7割超が目の疲れ、約4割が目のかすみを気にしているということになります。

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疲れ目やかすみ目の症状とは、それぞれどのようなものなのでしょうか。

まず、疲れ目を自覚している人(303名)に具体的な症状を聞いたところ、「目がショボショボする」(76%)という回答が最も多くあがった一方で、「目の奥が重いと感じる」(32%)、「目がゴロゴロする」(23%)という声もみられました。

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また、かすみ目を自覚している人(169名)に症状を聞いた質問では、「ピントがあわないと感じる」(81%)のほか、「視界の一部がぼやけて見える」(29%)、「目やにが多く、見えづらいと感じる」(21%)などの回答が目立つ結果に。

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同じ疲れ目・かすみ目でも、症状は人によって違いがあることがわかります。

そこで、「疲れ目またはかすみ目を感じた時に、どのような対処をすることが多いですか?」と聞いたところ、疲れ目・かすみ目ともに「目薬をさす」が最多に(疲れ目:65%、かすみ目:56%)。手軽に目のケアができる目薬を活用している人が多いようです。

また、前問で「目薬をさす」と答えた人に、目薬選びについて聞くと、「症状や原因に応じて適切な目薬を選ぶべきだと思う」という人が85%に。

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しかし一方で、「症状や原因にあった目薬を正しく選んでいる自信がある」と答えた人は40%にとどまりました。
残り6割は、正しい目薬選びができていない可能性が高いと言えます。

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さらに、「目薬はどれを選んでも同じだと思う」と考える人も、20%と5人に1人にのぼりました。

 

眼科医が語る、疲れ目・かすみ目の原因と対策

今回は、だんのうえ眼科・二子玉川院 院長の大島由莉先生に、疲れ目・かすみ目の原因や、目薬の選び方についてお話をうかがいました。

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大島由莉 (おおしまゆり)
眼科医/だんのうえ眼科・二子玉川院 院長
専門分野である白内障や角膜はもちろんのこと、コンタクトレンズの使用に伴うトラブルなど、「街の眼科医」として目に関するお悩みにはどのようなことでも親身に対応。
また、アンチエイジングの分野にも詳しい。

疲れ目・かすみ目の原因と症状について

今回の調査結果と同様、実際に診療をしていても、目の疲れやかすみを訴える方は増えている印象があります。
ただし、同じ疲れ目・かすみ目でも、その原因は人によってさまざまです。

中でも、次の3つは、目の疲れ・かすみの原因として当てはまるケースが多いポイントと言えます。

パソコンやスマートフォンによる目の酷使

近年は、年代問わずパソコンやスマートフォンを長時間利用する人が増えています。
しかし、同じ画面を長時間見続けていると、どうしても目の疲れにつながってしまうことに。
また、最近は「スマホ老眼」という言葉も出てきている通り、小さな画面をずっと見ているとピント調節機能が低下し、老眼のようにモノがかすんで見えることがあります。

目が凝っているような感じがしたり、目の奥がズッシリと重くなったりする人、さらに目のピントがあいづらくなる時がある人は、自分が思っている以上に目を酷使している可能性があるので注意しましょう。

目の乾燥や、それに伴う角膜ダメージ

また、コンタクトやエアコンなどが、疲れ目の原因になることがあります。
というのも、コンタクトを長時間つけていたり、エアコンなどで空気が乾燥している場所に長時間いたりすると、目を守っている涙の量が不足して、目に負担がかかってしまうのです。

さらに、目が乾くと、目を守る涙のバランスが崩れて表面が傷つきやすくなるため、そのまま放置すると角膜のダメージにつながるほか、ピントがあわせにくくなり、目がかすむ要因にもなり得ます。

日常的に、目がパサパサする感じがある人は、知らず知らずのうちに、目が乾いている可能性が。
特にコンタクトユーザーの方で、目がゴロゴロしたり、コンタクトが引っかかる感じがしたりすることがある人は、すでにドライアイの症状が出ているので、早めに目薬をさすか、コンタクトを外して休んでいただくことをおすすめします。
また、ドライアイがひどくなると、目の表面がチクチクと痛むこともあります。

加齢による変化

さらに、避けては通れない「加齢」も目の疲れやかすみの原因になります。

まず、40代~50代になって老眼が進んでくると、頻繁にピントの調節が必要になり、目に大きな負担がかかってしまいます。
また、同じく40代~50代は、目やにの量も増えてくるタイミング。そのため老眼で目がかすむだけでなく、目やにでモノがかすんで見える、ということにもつながってくるのです。

老眼でピントがあいづらく目がショボショボする人や、昔と比べて目やにが増えたと感じる人は、加齢が原因で疲れ目・かすみ目が生じている可能性があります。

 

目薬選びのポイントについて

目の疲れやかすみを感じた時には「目薬」を使うという人が多いかと思いますが、前述の通り、疲れ・かすみの症状や原因はさまざまです。
そのため、症状・原因にあった成分を含む目薬を選ぶことが重要と言えます。
医薬品である目薬には、パッケージに具体的な効果・効能が記載されているので、自分が気になる症状や、思いあたる原因にあわせて、目薬を選ぶことをおすすめします。

例えば、パソコンやスマートフォンによる目の酷使が原因であれば、ピント調節筋(毛様体筋)の疲れをやわらげてくれる成分のある目薬。

コンタクトユーザーの方などで、目の乾燥やそれに伴う角膜ダメージが気になる場合は、目のうるおいを保つものや、角膜保護成分がある目薬。

加齢による目の変化を感じる人は、年齢に伴って起こる涙液減少や目やにをおさえてくれる目薬などを選ぶとよいでしょう。

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生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)のレポートでした。
調査期間:2016年11月18日(金)~11月22日(火)
調査対象:20~70代 男女600名 (年代・性別 均等割付)
調査方法:インターネット調査