愛染明王堂(若林区)


 仙台市若林区の南染師町にある愛染明王堂は、恋愛成就・縁結び・家庭円満などの御利益があるといわれています
 寛永13年(1636)政宗の死去による瑞鳳殿造営のため伊達家お抱えの染師たちが霊屋下からここ南染師町に移り住んでおり、愛染明王は「愛染=藍染」とも解釈され、染物・織物職人の守護神としても信仰されていました。
愛染明王堂(仙台市若林区)
 元々は仙台4代藩主である伊達綱村が寛文4年(1664)に創建した金剛山宝性院で、京都の三条愛染町から愛染明王を分祀し本尊としました
 宝性院は明治に廃寺となり、愛染明王堂だけが残っています。
愛染明王堂(仙台市若林区)
 目の前を流れる堀は七郷堀。広瀬川の愛宕堰から取水しているこの七郷堀は、小泉・蒲町・荒井・六丁目・伊在・長喜城・霞目の七郷(七つの村)の水田地帯に送る農業用水路や水路として江戸時代初期から利用されてきました。
 政宗死去後に染師たちが移り住んでからは、染色や水洗いのために用いられて藍染川とも呼ばれたそうです。
七郷堀
 今は、堀沿いに干して染めた布地が風になびく様子や、紺色に染めた染物の水洗いの光景、藍を好んで集まってくるホタルの光も見ることはできませんが、近隣に数軒の染物屋や染工場は残っており営業しています。
七郷堀
愛染明王堂周辺地図

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